お朝事・御数珠頂戴・お階段めぐり
お朝事(おあさじ)
日の出とともに、善光寺全山の僧侶が出仕して、毎日欠かさずお朝事と呼ばれる法要が本堂で営まれます。
かつては、本堂で一夜を明かした全国からの参詣者が、翌朝のお朝事にそのまま参列することが一般的でしたが、本堂での参詣者の寝泊りが禁止されてからは、宿坊が参詣者の宿泊手配と案内を担っています。
お朝事では、参詣者から寄せられたご祈願やご供養のご回向(えこう)も行っています。
お数珠頂戴 善光寺住職(男性のお貫主さま、女性のお上人さま)が、お朝事での導師を務めに本堂に昇堂される際、参道にひざまずく信徒の頭を数珠で撫でて功徳をお授けになられます。これによって、み仏のご慈悲に結ばれるといわれる善光寺ならではの儀式です。
お階段めぐり
内々陣の奥、右側にお戒壇巡りの入口があり、階段を下ると、灯りの全くない回廊を手探りで巡ることになります。この真っ暗やみの中で、中程に懸かる「極楽の錠前」に触れることで、錠前の真上におられる秘仏の御本尊様と結縁を果たし、往生の際にお迎えに来ていただけるという約束がいただけると伝えられています。
現代人にはあまり経験のない漆黒の中で、ご本尊様と結縁を図っていただく道場となっています。
入口には、タイ国王より贈られた仏舎利(お釈迦様の御遺骨)とお釈迦様の像が御安置されています。
善光寺御開帳
善光寺のご本尊は一光三尊阿弥陀如来様で秘仏なのですが、そのお身代わりとしての前立本尊様を、数え年で7年に一度(現在は丑と未の年)、4月から5月にかけて本堂にお遷しして全国の人々に結縁頂くのがご開帳で、信州最大の盛儀となっています。
江戸時代に現在の本堂が建立された際、松代藩が普請奉行を務められたご縁から、毎回松代町から「回向柱(えこうばしら)」が奉納され、本堂前に立てられます。前立御本尊様の右の御手に結ばれた金糸が回向柱に結ばれ、柱に触れる人々にみ仏のお慈悲が伝えられるといわれています。